土屋隆夫と言う作家をご存じでしょうか?
長野県生まれの推理作家なのですが、謎解きが本格的で、すごく面白いんです!!
数ある作品の中から、特に好きな長編ベスト3を選びました!
ミステリー謎解き大好きな方、昭和のミステリーを堪能したい方、ぜひ読んでみてください!
若い方が読むと携帯電話やデジタルとは程遠い、時代背景なので違和感がありすぎるかも(^^;
昭和を懐かしみながら、本格謎解きを読みたい人にはぴったりです!
土屋隆夫ってどんな人
長野県北佐久郡立科町生まれ
1917年~2011年 94才で亡くなられていますが
最後の長編は90才で書き下ろした「人形が死んだ夜」単純に90才でミステリーの長編って凄いですよね。
元々は中学校の教諭でした。
長野県出身なので舞台は東京~長野をまたがる話が多いです。
私も20代の頃6年間長野県の長野市と小諸市に住んでいたことがあるので、知っている地名が出ると嬉しくなります。
それでは、ベスト3ご覧ください!
ベスト3 天国は遠すぎる
昭和54年初版
角川文庫
251ページ
あらすじ
偶然にも担当刑事の苗字と同じ”久野様”宛の遺書を残し自殺した洋裁学校の女生徒
遺書には死を誘う歌と呼ばれている流行歌[天国は遠すぎる]の歌詞が書かれているだけ
現場はどう見ても自殺だが、オーバーのボタンと布団から自殺に疑問を持ち探り始める刑事
女性の死後に県の職員深見課長が失踪
関係ない二つの事件を繋ぐマッチ箱に残された数字のメモ
その後深見課長が遺体となって発見されるが…
みどころ
遺書の久野様は誰の事?
容疑者は浮かび上がるが犯行時間の完全なるアリバイ
最後の最後まで分からない時間と電車のトリック
久野刑事の地道な捜査で犯人が浮かび上がって来るのですが、刑事の奥さんとの会話の中にアリバイを解く鍵が出てきたり、捜査に行き詰まった時の奥さんのふとした一言に昭和の時代の良さを感じます。
小さなほころびから他殺と見抜き、被害者の行動から推理し、真相にたどり着くまでの経緯
こちらの作品は初版が昭和54年、時代背景が今とは全然違います。
言葉使いや言い回し、まさに昭和です(^^;
若い方が読むとジェネレーションギャップでいっぱいですね(;'∀')逆にあの時代を感じたいと言う方には打ってつけの作品です!
ベスト2 妻に捧げる犯罪
昭和56年初版
角川文庫
243ページ
あらすじ
妻が不倫中に火事で不倫相手と死亡。それ以来真夜中のいたずら電話だけが唯一の楽しみになってしまった大学教授の日野
いつものように適当にダイヤルを回すと、日野を別の誰かと勘違いした電話の相手が喋りだす
電話の相手がいたずら電話だと気づき慌てて電話を切る女
今の会話を思い出すと、どうやら今の女は人を殺したようだ!
みどころ
短い電話の会話から女が自分と間違えて話した相手の名前と、どの辺に住んでいるのかを推理し、保険会社の職員を装い探偵のごとく調査していく日野
しかし、殺人を犯したであろう男女を突き止めたのは警察に告発するためでは無く、不倫をした妻への復讐のため?
やがて日野もまた…
今では固定電話を置いてあるお宅も少なくなったと思いますが、真夜中のいたずら電話から殺人を見抜くと言うのは面白いなと思います。昭和ならではですが💦
最終的に日野はどうなってしまうのか…最後まさかまさかです(^^;)
ベスト1 赤の組曲
昭和53年初版
角川文庫
286ページ
あらすじ
懐かしい友人坂口秋男から妻が居なくなったと相談を受ける東京地検の千草検事
捜査を進めるうちに坂口の家で発見されたテーブルクロスには血で書かれた3つのゼロ
信州別所温泉に坂口の妻らしき女が現れるがその女も失踪し、残されたのは赤いネグリジェ
妻の失踪には少し前にひき逃げされた坂口夫婦の息子の死に関係があるのか?
息子がひき逃げされた時に輸血をしてくれた大学生の青年が遺体となって発見
失踪後に坂口の妻の姿を見てしまった坂口の会社のアルバイトの少年が自殺
みどころ
大学生と坂口の会社のアルバイトの少年がどう夫婦に関係してくるのか?
アルバイトの少年は本当に自殺なのか?
大学生は何故殺されたのか?
妻は何処にいるのか?
こんな感じで謎だらけなんです!
が、千草検事と野本刑事、山岸事務官、上田署の若い刑事、登場人物のやり取りが殺伐とした事件の中にもホットする時間を与えてくれます!
そして何より驚かされるのは最後の最後に分かるトリックの解明です!
なるほど~そう言う事だったのね!
と、この謎解きが私の中でのベスト1になった理由です(*^_^*)
昭和の本格ミステリー「土屋隆夫」のおすすめ:まとめ
土屋隆夫まだまだ、面白のがたくさん出版されています!どれもハズレなし!
千草検事シリーズの長編は読みごたえがあり、おススメです。
松本清張はよくドラマ化されていますが、土屋隆夫原作も、火曜サスペンスや土曜ワイド劇場でドラマ化されています。
昭和のミステリー作家、興味を持って頂けたら嬉しいです。
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